第4章
加奈ちゃんは不思議な人だと、今改めて思います。
僅か二〇年足らずの人生だったのに、たくさんの人々と知り合い、可愛がって頂いたり、友達と支え合っていたようです。
加奈子の葬儀の際は、大勢の方が焼香にいらして下さって、本当にびっくりし、感動いたしました。
加奈子は友達大好き、いとこ達大好きでした。
加奈子が自分史を書こうとした文章に、こんなことが書かれています。
私、大湾加奈子は一九八二年一月七日に、この地上へ降りてきました。
―中略―
とにかく五体満足の人間の赤ん坊として、生まれたのです。
父や母は私が最初で最後の子だったので大喜びだったそうです。
親戚やいとこたちも年の離れた小さな女の子を喜んで、自分たちの中へ招き入れてくれました。
―後略―
本人が語っているように、加奈子は両親は勿論、祖母、伯父、伯母、いとこ、親戚等々、肉親、知人、友人の愛情を一身に受けて成長しました。
幼い頃は祖母を中心に伯父の一家総動員で、又、近所に住み「塩川のおじちゃん、おばちゃん」と加奈子が慕い、加奈子を愛し、成長を共にみつめ育てて下さった家族がありました。
成長の過程で、様々な方が係わってくださいました。
日舞のお稽古を始めてからは “人生最初の師” である「若柳賀寿乃師匠」との出会いがありました。
幼稚園、小学校の頃はたくさん友達を作り、生活も豊かに広がっていったものです。
加奈子の出会った人々へ、
「私を愛で支えて下さった方々への感謝の証として、このような形でお礼を言うことにしました」
(前述の加奈子の自分史より)
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