高校を卒業
高校を卒業し、塾に通い、新しい生活に懸命に挑戦していく加奈子を見るのは眩しくて、私達身内のものにとって、誇りにさえ思えました。
幾多の病苦を乗り越え、大学に向かって、一歩、一歩踏みしめていく日々、そして大学合格が決まるや否や、自動車の運転免許への挑戦、これも又、自分で
「も―も(塾でできた新しいお友達)のお家の近くだと、時間待ちさせて貰えるから。」
と、塾と自動車教習所が往復できる場所を選択、申し込んできました。
そして一ヶ月足らずですべて通過。運転免許を獲得すると、父親、山川の伯父とうち揃って車選び。
本人の希望で、当時売り出し中のトヨタの「ヴィッツ」を購入する事ができました。
そして次なる願い、映画館でのアルバイトも、「ミハマ7プレツクス」で、面接を受け、さっさと決めてきました。
なんとめまぐるしい事と思いましたが、病院に寝ていた分を取り戻そうという事や
「一日、一日充実した生活」をするのだという、強い意志が彼女を動かしていたようです。
そんな中で加奈子の「足長おじさん」水戸賓蔵寺の島津照明氏の「大学受かったら水戸においで。」のお誘いを実行すべく、出かけていきました。
神奈川のいとこの家から水戸、そして東京ディズニーランドヘの旅。
「ゆっくりしたいけど、帰ってからバイトがあるから。」と三泊四日の旅に出かけました。
その時も、自分だけ楽しい思いすることを気にして私達に手紙を書いていってくれました。
お父さん。お母さん
いってきま―す。
体には十分に気をつけるからね。
二十六日まで、楽しんできます。
お父さんとお母さんもカゼをひかないでね。
ハッピークリスマスを過ごしてよ。
二人でイルミネーションでも見に行って。
毎日、夜電話するからね。
ニ十六日なんて、あっという間にくるよ。
さみしがらないでね。
じゃ、行ってきま―す。
I love you.
大湾加奈子
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