加奈子メモリアル手記 愛の一雫

大湾由美子/加奈子 著

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二歳年上のまゆみちゃんと

二歳年上のまゆみちゃんの家が近かったので、加奈ちゃんはよく一人で遊びに行っていました。お休みの日には、一日中遊んでいることもありました。

ある日、少しだけ遊んで早々に帰ってきたことがありました。不思議に思って理由を尋ねると、

「ふくれてきたんじゃないよ。まゆみちゃんが勉強してて遊んでくれなかったから、誰にも言わないで帰ってきたの。そしたら犬もいるし、こわかったの。家の近くで赤ちゃんをだっこしてるおじちゃんがいたから、『一緒に加奈ちゃんの家まで行ってくれませんか』って言ったの。そしたら『いいよ、でもお母さんが迎えに来るかもしれないよ』って言ってくれて、それでまゆみちゃんが来て、送ってくれたよ。」

なんと、親の知らないうちに、自立に向かって少しずつ歩み出しているのだなあと、感心したものです。

いろいろなことに感じて、気づいて、心躍らせる毎日は、周囲の人たちも楽しい気持ちにさせてくれました。

ちぎれ雲を見上げて——
「あの雲、ちぎれてるよ。太陽さんが食べたんだ。こら、太陽さん、食べたらだめだよ。」

夕立が少し降ったあと、縁側のすだれに雨がたまり、そこに陽が差してきて、きらきらと輝いています。

「お星さまの赤ちゃんが、こんなところにいっぱい。きらきらしてるよ。」
「ほんとう。雨の赤ちゃんかな?」
「ううん、やっぱりお星さまの赤ちゃんよ。」

そんな感性豊かな表現も、周りの人たちとの温かなやりとりの中から生まれてきたのでしょう。

二歳年上のまゆみちゃんと
順兄ちゃんや俊兄ちゃんと花火を楽しむ夏の夜。あーちゃんにカットしてもらったおかっぱ頭を揺らしながら、加奈ちゃんは楽しそうにはしゃいでいました。

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プロフィール
まさや
まさや
2022年に出版された「加奈子メモリアル~愛の一雫~」(大湾加奈子・大湾由美子 著)を連載、紹介しています。
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